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【レポート】TDNOG初の山形開催 地元登壇で語ったIPジオロケーションの最新動向

【レポート】TDNOG初の山形開催 地元登壇で語ったIPジオロケーションの最新動向

この記事を書いた人

高見澤 信弘

エンジニアリング推進室 アーキテクト

山形県出身。Jストリームに新卒で入社後、ネットワークエンジニアとして自社のデータセンターや対外接続のネットワーク、大規模配信を可能にするCDN(Content Delivery Network)の設計・構築を担当。その後、テレビ番組の動画配信システム(見逃し配信システム)の構築や、世界的スポーツイベントなどの動画配信設計を手がける。現在はCDNのプロダクト企画や会社全体のネットワーク設計などを行う。主にインフラを担当している

TDNOG 初めての山形開催

 

インターネットを支える技術者たちが集まる地域コミュニティ「TDNOG(とどのぐ)」。東北6県、北海道のネットワークエンジニアや学生が集まり知見と親交を深める場です。今回は5/15(金)に山形での開催となりました。

 

第13回にして、初の山形開催ということで、運営メンバーの方からお声がけをいただきまして、アーキテクトの高見澤が「IPジオロケーションを取り巻く現状」ということで、登壇しました。

 

当日のプログラム

TDNOG13.0 Meeting(山形) – connpass

 

 

TDNOGと私

 

NOG(Network Operators’ Group)は、インターネットの構築や運用を行うネットワークエンジニアが、最新情報の交換やベストプラクティスについて議論したりする場です。


国内には大小さまざまなNOGがあり、代表的なものとしては全国からエンジニアが集まるJANOGが有名です。また、九州・沖縄地域では、QUNOG(きゅうのぐ)があり、Jストリームもストリーミングスポンサーとして活動を支援しています。

 

今回参加したTDNOG(Tohoku Network Operators’ Group)も、こうした地域NOGのひとつです。私自身は、2021年4月に行われたTDNOG4.0にオンラインで初めて登壇しました。その際は、BBIX仙台に接続しトラヒック交換をした際のシステム構成だったりトラヒック制御のお話ししました。ただ、このときはコロナ禍とのため完全オンライン開催だったこともあり、今回が初めての現地参加となりました。

 

運営メンバーの方からは「山形出身なので、ぜひ山形の紹介も含めて話してほしい」というリクエストをいただいていましたので、地元天童の将棋の駒の成り立ちやラーメン消費量日本一の話など、張り切って地元ネタを披露させていただきました。その”おかげ”で発表時間の半分近くを使ってしまいましたが、、、

 

 

IPジオロケーション情報の最新動向

 

IPジオロケーション情報とは、「IPアドレスを位置情報を紐づけたデータ」です。

 

日常生活の中でも利用されていて、例えば、ポータルサイトで住んでいる地域の天気が表示されたり、近くのお店の広告が表示されたりするのは、IPアドレスからアクセス元の地域を判断しているためです。このように、利用者にあわせた情報やサービスの提供に役立てられています。

 

このジオロケーション情報について、IPv6の普及を促進するためにIPv6アドレスを対象としたデータベースの整備が必要ではないか、という考えから発足したのが、一般社団法人IPoE協議会 IPv6地理情報共有推進委員会です。私は、この委員会の幹事を務めています。

 

近年は、IPジオロケーション情報について、新たなRFCが発行されたり、国際標準化の議論が活発化しており、大きな変化が生まれています。今回はそうした動向をまとめてご紹介しました。


なお、発表の中で取上げた「IAB Workshop on IP Address Geolocation」については、Voiceの別の記事でも紹介していますので、ぜひご覧いただければと思います。

【レポ―ト】IAB Workshop on IP Address Geolocation での登壇振り返り – 標準化の世界に足を踏み入れてみて

 

 

ジオロケーション情報公開の標準化が進展

 

これまでジオロケーション情報は、専門事業者が独自の手法やシステムを使って収集することでデータベースを作っていました。

 

しかし昨今では、IPアドレスの割り当てを受けた組織(具体的にはインターネットサービスプロバイダーやデータセンター事業者、コンテンツ配信事業者など)が、IPアドレスを割り当てた地域を公開するためのフォーマットがRFCで定義されています。

当日登壇資料より。ジオロケーションに関わる最新動向

 

また、定義されたフォーマットを使って公開されたデータを検索する方法としてWhoisの拡張についてもRFCで定義されました。先行してRIPEやAPNICでもGeofeedというAttributeが実装され、実際にIPアドレスからジオロケーション情報にたどり着くことができます。

 

登壇資料より。RFCによる標準化の状況

 

少し話はそれますが、実際に動くコードを見て、会場の皆さんも驚いていました。私自身も、論より証拠というか、IETFにおける技術仕様の策定はでも出てくる「Rough Consensus and Running Code」の示す通り、細部まで仕様を固めることよりも、合意形成と動く実装を重視するインターネット文化を改めて実感しました。

 

公開の流れは着実に進んでいます。当委員会でも公開に向けて情報提供を進めるとともに、公開する情報の精度や公開方法などのアセスメントを進め、よりIPジオロケーション情報をより使いやすくする環境整備を継続していきたいと思っています。

 

 

地元開催を通じて感じたこと

 

今回、初めての地元開催で登壇の機会をいただけたことはとても嬉しいものでした。いつも仕事でお付き合いのある方々が地元を訪れてくださることは、嬉しいものだなと特別な喜びを感じました。

 

一方で、参加者アンケートの結果を見ると、TDNOGは東北・北海道からの参加者がまだ多くありません。東北・北海道はASホルダーの数も少ないこともあると思いますが、ネットワークは社会を支える重要なインフラです。より多くの方々に関心を持っていただき、地元からの参加者が増えるといいなと思いました。

当日の会場の様子