ネットワークエンジニアのカンファレンスとしては国内最大となるJANOG51が、山梨県富士吉田市で2023年1月25日~1月27日の3日間で開催されました。JANOG51は、前回に続きオフライン会場とオンラインの両方で進行されました。
本イベントでは、JストリームからはインフラエンジニアR.I.さんが、新卒入社1年目で企画編成委員(Org)として運営に携わりました。加えてJストリームは、ストリーミングスポンサーとして同イベントのライブ配信とアーカイブ動画配信協力を行いました。
開催から4か月経ち、少し落ち着いたこのタイミングでR.I.さんへ話をうかがいました。昨年度、新卒入社1年目でいきなりの企画編成委員に立候補した想い、JANOGスタッフの仕事内容、醍醐味、苦労したところなどを聞きました。
聞き手:アーキテクト(インフラ) N.T.
JANOGは新しい製品や技術に触れられる刺激的な場所。ライブ配信に関わってエンジニアとして成長したい
――まずは、R.I.さんのバックグランドやJストリームでの業務内容を教えてください。
学生の頃は、主にプログラミングやネットワーク、メディアコンテンツについて高専で学んでいました。もともと高専に入学した理由が、小中学生の頃から動画編集とPCが好きで「もっと極めたい」という理由で入学しました。実際に高専では、ドローンを使った映像作品を作成したり、家ではラズパイや余ったPCを使用して、ゲームサーバやWebサーバを立てたりといろいろなことをしていました。今でも、休日含め趣味でネットワーク機器を触って遊んだりしています。
現在は、ネットワークインフラ部に所属しています。ネットワークインフラ部では、動画配信プラットフォームであるEqipmedia(以下EQ)やCDN(Content Delivery Network)といった自社サービスで利用されるネットワークの構築、運用・保守を行っています。具体的には、サーバ構築やFirewallのポリシー設定変更作業、L2スイッチの設定などを行っています。また、月に1度くらいはデータセンターへ行き、機器の設置や結線作業を行っています。
最近は各ネットワーク機器の設定作業の自動化に挑戦したりしています。
前回は一参加者として各セッションを聴きましたが、正直めちゃくちゃ難しい内容の話が多くて、全てのセッションを理解することはできなかったです(笑)。特に興味をひかれたセッションは、「マンガ海賊版サイトの技術要素と対策法」や「Change.警察庁も変わりました ~サイバー警察局のお仕事~」、自動化系のセッションですね。
JANOGでは、他のセッションも含めてですが「講演」ではなく「意見交換の場」ですよね。登壇者の発表もそうですが、全体的に質問者と登壇者のやり取りが熱くて面白かったです。カンファレンスには学生の頃からいろいろなところに参加していたのですが、このようにやりとりが活発なカンファレンスは初めてでしたので、とても新鮮ですごく印象に残りました。
また、いろいろな方とお会いしお話できたことも楽しかったです。私は2022年4月にJストリームへ新卒で入社しました。6月に本配属されて1ヶ月でJANOGに参加したのですが、当時は、自社が「どういったネットワーク構成なのか」や「どのベンダーの機器を使用しているのか」、「どういう技術」を使っているのか曖昧な状態でした。
しかし、同行してくれた先輩と一緒にブース巡りをし、関わりのあるベンダー企業の方とお話しすることで、自社のインフラ要素について理解することもできました。新しい製品や技術についてもベンダー企業の方から実物を見せていただきながら、わかりやすく教えていただき、とても理解が進みました。
――どうして今回JANOGスタッフに応募してみようと思ったのですか?
JANOG50に参加したとき、社内の先輩がOrgスタッフとして参加していたのを見て応募しました。特にJANOGでのライブ配信と会場ネットワークの構築についてとても興味があり、実際に自分も関わってみたいなと思い、Orgスタッフとネットワークチームに入りたいと思いました。また、色んな人と関わって、ネットワークエンジニアとして色んな知識を吸収したいなと思ったのも理由の一つです。
いろんな会社の人と共同で何かを作る経験で、問題解決力や柔軟性が身についた
今回のJANOGは「日本列島に大寒波が襲来」とニュースで報道された日に開催されました。富士吉田はあまり雪は降らないということでしたが、開催日の前日は雪が降っていました。なんと-10℃ととても寒かったのです。沖縄出身の私は、雪を見るのが初めてでした。寒いというよりも、「雪だー!!」と子どもみたいに興奮していました(笑)。
会場設営では、JANOGの様子をオンライン配信するための機材セッティングを行いました。事前に配信メンバーで集まり、機材確認や配信機材セッティングを行ったのですが、実際に会場で進めてみると、机上で考えていた通りにはいかないこともありました。しかし、スタッフ同士で相談し、臨機応変な対応をして、なんとかセッティングを終えることができました。また、前回のJANOG50での反省点も事前に共有されていて、事前準備はリハーサルも含め時間内に終わることができました。
主にJANOGの様子をライブとアーカイブ動画の両方でオンライン配信するスタッフを担当しました。ライブ配信では、Jストリームより提供したEQ Liveを使用しました。EQ Liveはリニューアルした直後ということもあり、開催前にはEQ Liveについて勉強をしたり、機材確認や配信リハーサルを行いました。
当日は3日間にわたり配信オペレーターを担当しました。登壇者と質問者のカメラアングル調整やライブ配信を1会場2名体制で担当しました。また本番環境で、問題なくライブ配信ができているかも確認していました。ライブ配信は「映像が見られない」「音が聞こえない」等の失敗が許されないものです。先輩スタッフや周りのサポートのおかげで、何もトラブルがなく3日間のライブ配信を終えることができました。
――今回は参加者ではなく、スタッフとして参加してみていかがでしたか?
JANOGスタッフとして参加した経験は、本当にとても貴重で楽しかったです。
いろいろな会社の人とお話をすることで、自分の専門分野以外の知識や視点に触れることができました。お話をきっかけに自分の視野が広がり、インフラエンジニアといっても多様なお仕事やそこに関わる方がいるんだなと思いました。
共同で何かを作る経験をしたことで現場での状況や課題に対処しながら、成功させるための経験ができ、問題解決力や柔軟性が身についたなと思いました。スタッフとして3日間出張とその前の準備期間では大変なこともありました。しかし、3日間無事成功できたあとの達成感はものすごく、参加して本当によかったなぁと思いました。
また、自社の主力プロダクトの一つでもあるEQ ライブですが、1ユーザーとして使用してみて、改めてさすがだなと思いました。現在のライブ配信についての機能は一通り揃っていて、UI/UXもよくマニュアルを見ずにでも簡単に操作することができました。個人的にはライブ配信のときにリアルタイムで変動していく、閲覧数のグラフと数字がとても好きです。
JANOGという大きなイベントで、自社のプロダクトが利用されていることをとても嬉しく思います。特に今回は、今までのJANOGで使用していたEQ ライブとは異なり、大きくバージョンアップした新EQライブを使用しての配信でした。
ライブ配信は、失敗するとJANOGでのオンライン参加者が視聴できなくなります。ですので、責任はとても大きいものでしたが、念入りに確認と準備をし、無事成功することができました。周囲から「提供・サポートありがとうございます」などのコメントをいただけた時はとても嬉しかったです。また、貴重なフィードバックをいろいろといただくこともでき、次回はさらにアップデートしたものを提供できたらなと思いました。
とても参加しやすい環境だと思います。JANOGに限らず「やりたい!挑戦したい!」と思ったことを、周りの方が止めずに「やっていいよ!」とあと押ししてくれる環境です。今回のスタッフ参加についても、社内で「JANOG51 スタッフしたいです!」と会社へ意思を伝え、一度も止められることなく前向きな言葉をかけていただきました。JANOGスタッフとしての活動は、業務時間内に実施することが認めてもらいました。入社1年目で忙しい時期でしたが、本当にいろいろなことに挑戦しやすい環境だなと思いました。
――次回も参加してみたいですか?
是非次回も参加したいです。Org. スタッフとして配信業務について関われたことはとても楽しかったです。次回はネットワークについての知識をより深めるために、会場ネットワーク設営や、NETCONチームといったネットワーク関係に携わってみたいなと思います。
――今後の活躍も期待しています。JANOGをはじめとしたコミュニティも、Jストリームのエンジニアリング組織も、これからも一緒にますます盛り上げていきましょう!
※在籍年数や役職を含む記載内容は、取材当時のものです。その後、状況が変化していることがあります。