こんにちは、Voice編集長の久保田です。少し間があいてしまいましたが、今回は6月に開催された会津大学公認の技術系サークル「Zli(ジライ)」主催の学内ハッカソンイベントのレポートをお届けします。
Jストリームは本イベントに協賛し、「Jストリーム賞」の贈呈も行いました。この記事では、Jストリーム賞受賞者の声とともにイベントの様子をご紹介します!
Aizu Hack / Re:Aizu Hackとは?
今回のイベントには、会津大学の学生約80名と協賛企業が参加し、活気ある交流の場となりました。
テーマは「変幻自在」。参加した学生の皆さんは、このテーマに沿ってアイデアを練り、チームで協力しながらプロダクトの開発に取り組みました。
本ハッカソンは、プログラミング初心者向けの「Aizu Hack」と、経験者向けの「Re:Aizu Hack」の2枠があり、スキルレベルに応じて参加できます。優秀な作品には、主催者および協賛企業から賞が贈られ、参加者の努力と創意工夫が称えられました。
日程は以下の通りです。アイデアソン、勉強会の後、1週間の開発期間を経て、6/21に1日かけて各チームからの発表があり、6/22に表彰式・懇親会という流れでした。
●アイデアソン : 2025年5月11日(日)
●勉強会 : 2025年5月12日~2025年5月16日
●開発初日/最終日・ハッカソン発表会 : 2025年6月14日(土)/21日(土)/22日(日)
Jストリームエンジニアによる現地収録サポート
6月21・22日の発表会・表彰式には、Jストリームからエンジニア3名を含む計5名が参加。当日は、Jストリームのライブエンジニアがイベント収録のサポートも行いました。
1日目は1会場、2日目は2会場と、すべて異なる場所での収録となり、主催のZliの皆さんが準備を進めていましたが、想定通りに進まない場面もあり、急遽ライブエンジニアのHさんがサポートとして参戦!イベント当日に初めて現場環境を確認する状況となりましたが、ライブエンジニアとして培ってきた豊富な経験と、動画配信に関する専門知識を活かし、柔軟かつ的確に対応いたしました(Jストリームでは、年間2,400件を超えるライブ配信現場での対応実績を誇ります!)。
2日目の収録では、会場モニターの音声に拍手や笑い声が自然に乗っているなーと思ったら、Hさんの現場判断でガンマイクで別途環境音を拾い、ミキサーにかけていたことが判明。イベント内容に合わせて、臨場感のある音声に仕上げていました。
創造力と技術が交差するハッカソンイベント
どのチームも、柔軟で自由な発想力と、開発期間1週間という短期間で形にしてしまう技術力と行動力にあふれており、驚かされました。まさに「変幻自在」というテーマが、参加者の手によってリアルに形になっていく様子を目の当たりにし、創造力と技術が交差する瞬間に立ち会えたことは、非常に刺激的な体験でした。
さらに、プレゼンテーションも聞きごたえがあり、アイデアの背景や課題設定、解決方法までが明快に伝わってくるものばかりでした。
Jストリーム賞について
Aizu Hack / Re:Aizu Hackのそれぞれで、Jストリーム賞の贈呈を行いました。プレゼンターには、会津大OBで、チーフテックリードを務めるエンジニア(現在・新卒入社4年目)と人事担当者の2名が登壇しました。
どのチームのプロダクトも非常に魅力的で、選ぶのが非常に大変でした。参加されたすべてのチームの皆さんに大きな拍手をお送りしたいと思います。
Jストリーム賞の選考に際しては、以下の観点を重視しました。
●開発における技術的範囲の広さ
●長期的な運用を見据えた設計
●新技術の積極的な採用
●Jストリームが大切にしている「もっと素敵な伝え方を。」の実現
これらの観点から、いろんな技術を使いこなし、「もっと素敵な伝え方を。」をより感じられたものとして、以下の2チームに決定しました!
Aizu Hack Jストリーム賞
チーム名:EMPTY VESSEL
作品名:Nimbus


Nimbusは、リアルな風向きや風力のデータを使った、スイカゲームっぽいパズルゲームです。風のデータは、チームメンバーのご実家周辺の情報をAPIで引っ張ってきていて、風が強い日はゲームの難易度がアップする仕組み。現実の天気がゲームに影響するって、ちょっと面白いですよね。
デザインも細部までこだわっていて、メニューからゲームオーバーまで世界観がしっかり統一されていました。また、WebMを使うなど、動画の活用も行なっていた点も注目でした。

EMPTY VESSELの皆さんの受賞コメント
池田優希さん(記念撮影左 ゲーム画面、背景担当)
「雨のエフェクトでは、音声収録段階でカエルの合唱に遭遇するようなこともありました。予期せぬ自然音とも向き合いながら、ゲーム進行にあわせた自然な表現を目指して何度も調整しました。イベントを初めて知った時には、“今回は、参加しないだろうな”と思っていたくらいなのに、リーダーが誘ってくれて、エントリー締切日にチーム参加を決め、まさか受賞までするなんて!この3人でできたことが嬉しいです」
浅田まさひろさん(同左から2番目 タイトル画面・ロゴ、UI担当)
「担当したタイトル画面とロード画面を担当しました。過去の経験を活かし、素材を一から作り、UIにこだわりました。審査基準を見て、自分たちのチームには賞はこないと思っていたので、名前が呼ばれたときは、すごくびっくりしました。今回のようなゲーム制作を通じて、これまでの学びを深めながら、新たなスキルや知識を身につけていきたいです」
Yataiさん(同中央 リーダー、ゲーム画面、ロゴデザイン、発案担当)
「ポップなデザインにしたくて、初めてデザインに挑戦しました。また、APIの実装は初めてで、JSON形式を一から勉強しました。雲の合体演出では同期・非同期処理に苦戦しましたが、3人だからこそ完成できたと思います。リーダーとしてみんなを誘い、“満足できる結果を残したい”という思いで取組んできたので、受賞できてほっとしています。一緒に頑張ってくれた仲間に対して、誇らしい気持ちです。今後、Nimbusのアップデートを続け、難易度調整やステージ数を増やしていきたいです」
Re:Aizu Hack Jストリーム賞
作品名:ツリー構造を利用したSNSの制作
チーム名:スーパーハカー


スーパーハカーさんの作品では、SNSにおける情報の流れや会話の追跡コストに着目し、発言をノード化してツリー構造で分岐を可視化するという新しい伝え方を形にされていました。メッセージがスレッド形式ではなく、ツリー状に広がっていくことで、トピックの埋もれを防ぎ、会話の深掘りやコラボレーションの効率化を図る仕組みです。
テーマ「変幻自在」に合わせて、マインドマップのように柔軟に変化するツリー構造を実現。技術とアイデアが見事に噛み合ったプロジェクトでした。
ツリー構造を保つためのロジック設計や、フロントエンドとバックエンドの分離など、モダンな開発スタイルも取り入れられており、技術的な完成度の高さもJストリーム賞選考時のポイントとなりました。
スーパーハカーの皆さんのコメント
二枚貝さん(バックエンド担当)
「受賞にはびっくりしました。一年の前期はなかなか時間が取れなかったので、次はのんびり一人でやってみたいなと思っています」
あちゃぴさん(バックエンド担当、チーム名考案)
「ツリー構造のアルゴリズムを担当しました。アットコーダーで培ったアルゴリズムの経験を活かすことができました。知らない技術も多かったので、これからも引き続き勉強していきたいです」
Tenplantさん(フロントエンド、バックエンド・デザインレイアウト、スライド作成、環境構築担当)
「今回の開発では、ユーザーエクスペリエンスと“動くものを作る”ことにこだわりました。初めてのハッカソンでしたが、なんとか完成できてよかったです。今後はAIを活用した学習アプリの開発をしつつ、コンピューターサイエンス分野の学習を進めていきたいです。ポートフォリオも充実させていきたいと思います」
さいごに
今回のハッカソンを通じて、創造力・技術力・伝える力を兼ね備えた挑戦者の皆さんと出会い、Jストリームとしても多くの刺激を受ける機会となりました。
また、発表会に先立って行われたオンライン交流会では、Jストリームより、自社の技術をLT形式で紹介させていただきました。会津大での発表会イベント当日には、オンライン交流会に参加された方から、「先日の交流会、参加しました!」「楽しかったです!」と声をかけていただく場面もあり、とても温かい気持ちになりました。
※オンライン交流会でご紹介した自社技術紹介のラインナップはこちらです。多様な技術を取り扱う、Jストリームらしい内容といたしました。
1.「ファイアーウォールのルール数って多いとどうなるの?」(ネットワークエンジニア)
2.「早くリリースするためのシグナルハンドリング」(SREエンジニア)
3.「HLSのVODを任意の秒数だけ引き伸ばす」(バックエンドエンジニア)
4.「JストリームOVP(Online Video Platform)でのバックエンド開発」(バックエンドエンジニア)
5.「Zone Apexの話」(バックエンドエンジニア)
6.「YouTube LiveにHLSでインジェストする」(ライブエンジニア)
Zliの皆さん、そして参加者の皆さん、素晴らしいイベントをありがとうございました。今後もこうした取り組みを通じて、技術の面白さや可能性を共有しながら、未来を担う皆さんとつながっていけたら嬉しいです。
