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【レポート】JAIPAの集いin鹿児島と鹿児島民放4局パネルディスカッション

【レポート】JAIPAの集いin鹿児島と鹿児島民放4局パネルディスカッション

執筆者:高見澤信弘

Jストリーム エンジニアリング推進室 兼 プロダクト企画部(アーキテクト)

JAIPAの集いとJストリーム

 

JAIPAの集いは、インターネットに携わる事業者が一堂に会し、日頃の課題等を検討して参加される方々が次のステップに行けるような情報交換、共有をして活発な意見交換が出来る場です。主催は、当社も参画している「一般社団法人日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)」で、今回は鹿児島での開催となりました。

 

さて鹿児島での開催ということで、今回は鹿児島の民放の地方局4局のデジタルコンテンツ担当の責任者に登壇いただき、地方局ならではのインターネットの活用方法や課題などをパネルディスカッション形式でお話いただきました。私はこのパネルディスカッションのモデレーターを担当させていただきました。

 

また、今回は180人以上の方に集いに参加いただき、JAIPAの集いとしては過去最大規模での開催となりました。

 

 

パネルディスカッションの見どころは?

 

「地方局のインターネット活用の現状と今後 鹿児島民放4局パネルディスカッション」ということで、ディスカッションのポイントを考えていく上で、地上波テレビは、サブスクリプト型の動画配信サービスやSNSなどと視聴時間を争う時代になってるという時代背景は欠かせないと思いました。

 

パネリストの方とお話していく中で、視聴者との接点を増やすためにインターネットの活用は不可欠になっているという現状を知ることができました。

 

その中でパネルディスカッションのテーマを以下の3つとしました。

 

  • 1.コンテンツ制作力:アプリ、動画配信、災害情報、VRなど。事例と地方ならではの工夫や苦労話
  • 2.インターネット視聴時間の増加による視聴者接点として重要度の増したインターネットの可能性
  • 3.マネタイズの工夫とフラットな空間となるインターネットでの特色の出し方について

 

鹿児島ならでは・地方ならではのインターネット活用とは

 

各社自社サイト上でのニュースや気象情報の展開とSNS、スマートフォン向けのアプリと連携したコンテンツ配信をされており、積極的にインターネットを活用されていました。

 

地方ならではの工夫として印象に残ったのは、地方放送局の責務としての報道です。特に鹿児島は諸島部を含めると台風の被害を受けることも多いとのこと。放送とWebサイトを連動させ、災害報道を迅速に行う工夫をお話いただきました。

 

また、各社スマートフォン向けのアプリを提供されており、アプリ内でのニュースやお天気などの情報を配信されています。また、イベント時のIDとしても活用できるような工夫もされていました。地上波テレビは若年層を中心に視聴時間が減少している中で、視聴者接点を増やすためのスマートフォンの活用は不可欠ということでした。

 

 一方で、YouTubeやFacebookなどのオープンなプラットフォームにもコンテンツを提供しており、オープンなプラットフォームでのマネタイズも課題となっているとことです。

 

 

パネリスト・会場ともに盛り上がる意見交換

 

キラーコンテンツとは何か

パネルディスカッションとして、パネリストの皆様に質問しつつ、意見交換をさせていただきました。

 

まず地上波テレビだけでなく、動画配信、チャットなど、コンテンツがこれだけ増えた時代にどうやったら見てもらえるか、時間をつかってもらえるか?マネタイズするためのベースとなる共通の課題ではないかと思いました。率直に各社さんのキラーコンテンツは何か?という質問をさせていただきました。

 

前述のニュース報道や災害報道は鹿児島ならではとなりますが、高校野球やバスケットボールなどのスポーツコンテンツは、試合数も多く、地上波で放送できないゲームについてもインターネットライブを活用して配信されているとのことでした。年間150回近いライブ配信をされているというお話も興味深く、スポーツ人気に比例してアクセスも上昇傾向ということでした。

 

鹿児島ならではとしては、世界一美しいロケット発射場とも言われる種子島宇宙センターからのロケット打ち上げのライブや特攻隊の基地などの観光資源を使ったVRコンテンツ、鹿児島空港のライブなど、特定の方々にリーチするコンテンツも重要であるということでした。

 

 

人材育成の課題

テレビ局としての人材育成の悩みや工夫について、会場からも質問がありました。私も、動画配信においても仕組みを知らなくてもシステムを組める時代になっていると感じています。JAIPAでもインターネットインフラを担う人材育成が課題となっているという側面もあります。放送局(デジタルコンテンツ分野)においての課題、工夫があれば紹介いただけますか、という質問をさせていただきました。

 

地上波テレビの制作とインターネット上のコンテンツの制作は、根本から違った考え方が必要ではないか、という意見もありました。年間150本のライブ配信は、今までのやり方ではできませんし、そのための人材教育、環境整備という意味では、インターネットに適用した組織が必要になってくると私も感じました。

 

また、コンテンツ配信に専念できない地方ならではの課題もあり、会場の方々とも活発な意見交換となりました。

 

 

まとめ

 

JAIPAというインターネットに深くかかわる事業者の会の中で、今回は放送局の方に登壇いただき、パネルディスカッションをさせていただきました。

 

事前の打ち合わせの中でも立場の違いを感じることはありましたが、パネリストの方も古くからシステム開発をされていた方やインターネット黎明期からの利用者の方も多く、時代の変化に合わせた人材育成やコンテンツ配信について、深い議論ができました。

 

 

会場からも質疑があり、活発な議論ができました。モデレーターとしてホットしています。 最後にパネリストとして参加いただきました皆様ありがとうございました。

 

 

 

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