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ネットワーク、Web開発、ログ解析、動画配信etc…<br>2023新卒ITエンジニア研修レポート

ネットワーク、Web開発、ログ解析、動画配信etc…
2023新卒ITエンジニア研修レポート

2023年4月入社の新卒ITエンジニア(以下、新卒エンジニア)が受講した一連の研修概要をまとめました。この記事では、研修全体の概要説明と今年の新しい取組みを中心にご紹介します。

新卒研修の全体像について

プラットフォーム本部教育PRJ・自己啓発支援チームです。私たちのチームでは、各自の配属先の業務とともに、各自の現場目線を持ち寄り、エンジニア組織であるプラットフォーム本部全体に必要な研修や勉強会の企画・推進を行っています。

 

今回記事を進めるに際して、まずは新卒研修の全体像に関するご説明から。新卒エンジニアが受ける研修は、4、5月2か月間の新卒全社研修と本配属後最初の1週間で実施する新卒エンジニア技術研修があります【図1】。

図1:新卒エンジニアが受講する研修全体図

まず、4、5月の2か月間では新卒全社研修が行われます(図1左)。新卒全社研修は、人事部と各本部の若手先輩が、企画・運営・講師の中心を担います。この期間は、ビジネスマナーや各種社内手続きの他、全部門の業務理解として営業研修やWeb・映像制作研修、技術研修も行われます。技術研修では、現場の最前線で活躍する先輩エンジニアが講師となり、インターネットやライブ配信、ストリーミング、動画プレイヤー等の基礎知識について学ぶほか、今年はデータセンター見学も行われました。

配属後の新卒技術研修では、実務に必要な知識とスキルを習得

新入社員は、6月1日からは本配属となります。プラットフォーム本部配属の新卒エンジニア・7名は、さらに6日間の「新卒エンジニア技術研修」を受けます。ここでの目的は、下記2つです。   

    1)プラットフォーム本部メンバーとして、本部全体視点での必要な技術知識を習得する

    2)各自の疑問・未学習領域を自覚し、継続的学習・スキルアップを促す

 

6日間の研修一覧は、図2の通りとなります。

図2:新卒エンジニア技術研修一覧

Jストリーム・エンジニア組織であるプラットフォーム本部における最大の特長と魅力のひとつは、多様な専門性です。各自の得意分野を生かし、幅広いエンジニア視点と技術を学べる環境です。日々の業務では、職種間の垣根や縦割り感はなく、サポートしあいながら仕事を進めています。

 

動画配信で用いられる技術は、ネットワーク、サーバやストレージ技術、WebやDB開発、アプリケーション開発、ログ解析、など実に様々です。そのため、配属後の研修では、インフラ、開発基礎、ミドルウェア、ログ、動画/ライブ等、幅広い内容を実務レベルで習得します。業務に直結した実践的な内容を重視し、座学とハンズオンを組み合わせて学んでいきます。

「サーバ構築」講義の一コマ
「サーバ構築」研修の一コマ

今年の配属後研修は、コロナ感染拡大防止にも配慮しながら、オンラインとオフラインのハイブリットで実施しました。

最初の2日間はオンラインで。在宅で受講でき、講義時間の調整も柔軟にできる点は、やはりオンラインのメリットですね。Chatでは、質問のほか、気づきメモの共有、相槌や何気ない心の声などで多いに盛り上がりました。

「開発基礎」研修の一コマ
「開発基礎」研修の一コマ

ハンズオンなど、対面形式が特に有効なものはオフラインで開催しました。ハンズオンでは、講師の先輩が受講者個々の様子を見ながら個別に質疑応答やサポートを行って、理解を深めました。

「開発ハンズオン」研修の一コマ

また、今年初めて配属後研修に盛り込んだテーマに収録スタジオの見学があります。Jストリームは、東京・六本木に動画収録スタジオを保有しています。このスタジオは、完全防音、グリーンバック合成対応、調整室、収録に必要な機材が完備されています。さらに、この収録スタジオからライブ配信も可能です。

 

研修では、ライブエンジニアの先輩が設備や機材紹介、ライブ配信作業手順を説明し、受講者は2チームに分かれスタジオでの「収録体験」と調整室での「配信体験」を行いました。

 

スタジオ見学では、終了後の「質問があればどうぞ」との先輩エンジニアの声に、開発を担当するエンジニアが「めったにない機会だから」と熱心に質問と見学を続けるシーンも見られました。

収録体験での様子
収録体験での様子
配信体験での調整室の様子※写真左側は映像・音声調整、右側は配信担当
配信体験での調整室の様子
※写真左側は映像・音声調整、右側は配信担当

研修のお役立ち度は? : 実務で即使え、配属前の不安も解消

ここからは、受講者アンケート内容をもとに、新卒エンジニアの皆さんにとって良かった点、実務への有効性を考察します。

 

配属後の技術研修目的は、以下2つでした。

    1)プラットフォーム本部メンバーとして、本部全体視点での必要な技術知識を習得する

    2)各自の疑問・未学習領域を自覚し、継続的学習・スキルアップを促す

 

アンケートには、多くのコメントが記載されていましたが、一部をご紹介します。技術や業務に対する理解促進と学習動機付けに関するコメントが多く見受けられました。

テーマ

受講コメント(一部抜粋)

ミドルウェア

・見やすく図解をしていただけていたので、内容把握がしやすかったです!

 

・大学の授業においてSQLなど個々で使ったことはあったが、一つのソフトウェアとして動くための全体像はあまり想像したことがなかったのでとても勉強になった。

 

・他部署との連携を教えてくださったので、今後のイメージができました。

動画配信技術

Wirecastを実際に使用した、映像の切り替えや疑似ライブ配信体験が印象に残りました。簡単な操作で配信ができることは素晴らしいですが、1つの操作で放送事故などになってしまうこともあると思うので、気を付ける必要があると感じました。

障害対策

冗長化がどのようにされているのかをケーブル断線など、現物を見てどうなっているかを見ることができたので理解と興味が深まりました。 (実際に見られなかったら完全に理解できなかったと思います…!)

コンテナ実習

昨日の終わり(座学終了時)は「分からないが分からない」状態でしたが、ハンズオンとすぐに疑問点を聞くことができる環境もあり、少し理解ができたのとDockerに興味を持てました! 根気強く教えて下さり、ありがとうございました.

インフラハンズオン

・リポジトリとパッケージなどの関係は時間をかけて説明していただいたので理解できました。また、キャッシュサーバ、リゾルブ、権威サーバ、ルートサーバなどに関してもイメージがしっかり持てました。

 

・サーバ環境構築をすることが初めてだったので、鮮な体験でした。

 

・とりあえず、手順書を見ながらならできるようになるかも?くらいには理解できました!

WBS

自分は読みやすいソースコードを書くのが苦手なので、教えて頂いた書籍を読んでみたいと思う。

開発プロセス

遅延をすることがやはり多い部分があるので、今回学んだ開発プロセスに関して、しっかり復習し、紹介された本を読んで備えていかなければと感じた。

受講した新卒エンジニアの皆さんの、来年度新人へのおすすめ度は5点満点中「5点」でした。よかった!

以下は、そのおすすめ理由。「未来の後輩へおすすめする際に、その理由を説明するとしたら何と言うか?」に関するコメントです。

・より具体的な仕事のイメージができる

・課に配属されるまで、徐々に慣れていけるのが良いところだと思います。私はいきなり課に配属だと不安だったと思います。また、全体研修で学んだ部分を思い出すきっかけにもなり助かりました。

・GitやJ-Stream Cloud等、実務で即使えるような知識の基本が身についた。配属前の不安解消にもなる。

・各部署について同期に知ってもらう&自部署の理解が深まった、この研修がなかったら他部署の業務をリスペクトする気持ちが小さかったと思う。

・Jストリームのサービスの裏側を直で体験できる!

・他の部署のことを体験できたことが一番よかったと思います。あと、配属先の方と話せる機会があったので、よかったです。

・4、5月の研修の内容にプラスで専門知識を教えていただけたので、とても知識が身に付きやすいと思う。

「障害対策」研修の一コマ。受講者がデモ機のLANケーブル断線し、影響を確認

受講者の研修テーマごとの難易度と理解度は以下【図3】の通りでした。

図3:研修別難易度と理解度
図3:研修別難易度と理解度

各自の専門性により各テーマに対する難易度と理解度は異なりますが、エンジニア組織全体の視点で、技術知識を習得することで組織と実務に対する理解を深めることができたようです。

 

 

とはいいながら、課題も残ります。研修テーマは、エッセンスを凝縮したものの6日間は相当タイトです。本配属後は、一人一人にメンターエンターが付き、1ON1なども定期的に行われますが、エンジニア組織全体での継続的な技術研修機会の重要性を改めて感じています。

 

 

ということで、下期からは、プラットフォーム本部全体に呼びかけての技術研修を開始します。

名称は「PFコアコネクト」。自社の特長である多様な専門性(コア)をつなげ(コネクト)、自社事業への理解と組織力強化、業務効率化、生産性向上を目指すための学び場です。対象は、新卒入社社員だけでなく、プラットフォーム本部全体にわたります。テーマ設定では、「Jストリーム・エンジニア組織にとって必要な技術とは何か」を定義しています。PFコアコネクトについては、またご紹介予定です。

 

以上、新卒エンジニア研修2023振返りでした。