ネットワークエンジニアのカンファレンスとしては国内最大となるJANOG49が、鹿児島で1月26日~1月28日の3日間で開催されました。今回はオフライン会場とオンラインの両方で進行されました。
JANOG49では、JストリームからインフラエンジニアH.I.さんが、企画編成委員長(Org Chair)として運営に携わりました。加えてJストリームは、ストリーミングスポンサーとして同イベントのアーカイブ配信用に自社開発のOVP(Online Video Platform)であるJ-Stream Equipmedia(EQ)を提供しています。
今回は、入社2年目で企画編成委員長を務めたH.I.さんにJANOGスタッフの仕事内容、醍醐味、苦労したところなどを聞きました。
聞き手:エグゼクティブエンジニア N.T
H.I.さん プラットフォーム本部所属 テックリード(インフラエンジニア)新卒入社・2年目
ものごころついたときからIT技術に慣れ親しみ、中高はプログラミング、大学に入ってからバックエンド→セキュリティ→ネットワークの順に興味が移ろい、ネットワークエンジニアとして仕事を始めて現在2年目。業務でネットワークの設計・構築・運用に携わりながらネットワーク技術を勉強中。Appleが好き。
学生時代にJANOGへ初参加。“つながる楽しさ”に魅了され、ITとコミュニティに傾倒
――まずは、H.I.さんのバックグランドやJストリームでの業務内容を教えてください。
もともと中学校ぐらいの頃からコンピュータが好きで、大学ではセキュリティの分野を専攻していました。そこからネットワークの分野に触れるきっかけがあってネットワーク面白さを知り、就職するころにはネットワークが最も好きになっていました。「つながらなかったものがつながる」楽しさに魅了されて、どんどんのめりこんでいきました。
業務内容としては、主にはネットワークですね。トラフィックの増加に対応するために対外接続用のルーターを追加したり、今年度はASのコアネットワークのリプレースプロジェクトにも携わりました。あとは機器管理を負荷軽減させるために、ツール導入や自動化プログラムの開発などもやっています。
JANOGに初めて参加したのは、JANOG39ですので5年前になります。当時の私は学生で、若者支援プログラムに応募しました。学生の頃には、登壇も一度させてもらっています。JストリームもJANOGには積極的に関わっていたので、「ならば私も行きたい!」と入社後もJANOGに参加を続けています。
※「JANOG49若者支援プログラム」のご案内
https://www.janog.gr.jp/meeting/janog49/wakamono/
JANOGに行きたいけど費用負担が辛いという学生中心の若者向けに、交通費と参加費を補助しているというプログラム。
――H.I.さんは、学生時代からいろいろなコミュニティ活動に参加していますよね?
そうですね。学生時代には、イベント用ネットワークを作るコミュニティに参加していました。そのコミュニティでは、iOS向けのアプリエンジニアが集まるイベントの会場ネットワークを作る経験もしています。
ネットワーク業界はだいぶ狭い業界だと思うので、同じ業界の方と話をしていても「その人知ってる!」と顔が思い浮かびます。コミュニティでいろいろな会社の方、エンジニアの方と話せるというのは、学生時代の私にとり、とてもいい機会でした。興味ある会社で働いている方の話を直接聞けましたので。
「この会社はこういうことやってるんだ」ということを、Webページの情報だけでなく、「中の方」から聞けました。そういう意味でも、コミュニティ活動は大事だなと思いますね。こういった経験は、社会人になってもとても役に立っています。
新卒2年目で企画編成委員長の大役は、正直不安も。でも「やらなきゃ!」
そうですね。正直「どうして私が?」という驚きはありましたけど。前回のJANOG48の大垣の会場でコミッティーの方に「次、企画編成委員長ね」と言っていただいて。「は、はい」って感じでした。
話を頂いた時の一番の感想は、すごくありがたいなということでした。ただ、一方で不安もありました。
企画編成委員の担当する内容としては、企画編成というだけあり、イベントの組み立て全般を担います。例えば、当日配るグッズを作ったり、Webページを作って広報したり、当日の様子を配信したり、実に多くのチームがあります。
私は、JANOGでは配信チームとしての経験しかなかったので、いざ企画編成委員長をと言われても対応できるかな、という心配は常にありました。でもお声がけ頂いたからには「やらなきゃ!」という一心で取り組むのみでした。
――JANOG49を振り返ってみて、ご自身にとって一番大変だと感じたことは何でしょうか。
大変だったことは、やはり今の時勢的にコロナ禍での開催だった点です。
会場の感染対策、例えば使用済みマイクの扱い、会場の消毒はどうするかとかは入念に確認しました。逆に、不安に感じる人が多い中で、対策を行い安全であることをどう見せていくかにも気を配りました。結構いろんなことを考えなきゃいけなかったのは大変でした。
あとは、私は配信チームの経験のみでしたので、それ以外の進捗管理は慣れない面が多々ありました。
できなかったなという部分もありましたが、そこはもう一人の企画編成委員長の方に助けて頂きました。冗長化って大事ですね(笑)。
その方はベテランですので、私がわからないところは、その方に“おんぶにだっこ”な点もありました。私はわかるところを精一杯やるという形でやらせてもらいました。
――アーカイブ動画がイベント終了の翌日には公開され、これまでにないスピードでしたね。Jストリームが提供したEQのリニューアル翌日でしたが、どんな体制で行ったのですか。
これまでは、JANOGの本会議が水曜日から金曜日まであって、週末に編集頑張って次の週の火曜日か水曜日ぐらいにアーカイブ動画を公開というパターンでしたが、今回は前日の午前中のプログラムが翌日の朝には公開できましたね。
アーカイブ動画が迅速に公開できたのは、配信チームの半分ぐらいがリモートで対応してくれたことが大きいですね。感染拡大が続くなかで、直前で配信チームの半分ほどが現地入りを断念しました。これは当初の想定にはないことでしたが、現地に来られなかったメンバーがものすごい早さで動画アップロードを対応してくれました。
結果的にこの配置だったからできたスピード感だなと思っています。これはコロナ禍での新しいスタイルを見つけられたんじゃないかなと思っています。
提供したEQについては、JANOG開催のちょうど1日前に大型メンテナンスがあり、ちょっと不安もあったりして気にしていました。結果無事ローンチして、うまく動いてくれたのでストリーミング自体は本当にノートラブルで走り切れました。
JANOGの醍醐味「人とのつながり」をスタッフとして半年にわたり堪能
――JANOGスタッフの醍醐味というか、「一番楽しかったな」というのはどこですか?
私がJANOGスタッフになる最大の目的の一つは、やはり人とのつながりですね。
今回は懇親会が中止となり、残念ながらオフラインでの密なつながりはできませんでした。
しかし、懇親会以外にもJANOGには、多くの方と知り合い、それをきっかけに他のコミュニティにつながる機会がたくさんあります。
JANOGをきっかけに商談が始まることもあります。ネットワーク業界の有名人や業界に顔の広い方がたくさん参加されます。繰り返しになりますが、同業他社の方と知り合い、それぞれの仕事や専門性についてFace to Faceで深く知ることができるのが一番の醍醐味じゃないかなと思います。
これはスタッフ参加に限った話ではなく、一般参加の方・オンライン参加の方すべてに共通する部分だと思います。
――JANOGのスタッフ経験をするなかで、Jストリームに所属しているからプラスに働いた部分はありましたか?
私がスタッフとして参加するようになったのは、Jストリーム入社してからのことです。学生時代は、それまでは一般参加と登壇だけでしたが、スタッフを務める先輩に影響を受けたのがきっかけです。
スタッフ参加をしたことにより、当日の3日間だけでなく半年近い期間、同業のネットワーク業界の方と深く交流できたのは今までにない経験だったと思います。
ただ、新卒で入社して早々に、いきなり「イベントへ行きたい、スタッフをしたい」とは、言い出しづらい面もあると思います。Jストリームでは、新卒入社1年目から会社が業務の一環としてイベント参加やスタッフ参加を認めてくれ、環境を用意してくれました。これは、とても嬉しかったです。
――最後に、今後の抱負をお願いします。
次回は、2022年7月13日(水)〜7月15日(金) の 3日間で、函館にて JANOG50ミーティング が開催されます。
JANOG50も会場とオンラインとハイブリットかと思いますので、みんなでコミュニティが盛り上がれるよう、引き続き尽力したいと思います。
――これからも、楽しみながら、お互いにエンジニアとして、Jストリームとして、JANOGをはじめコミュニティ活動を盛り上げていけるよう取り組んでいきましょう。本日はありがとうございました。
※在籍年数や役職を含む記載内容は、取材当時のものです。その後、状況が変化していることがあります。