QUNOG 34 配信現場で見えた学生たちの挑戦
インターネットを支える技術者たちが集まる地域コミュニティ「QUNOG(きゅうのぐ)」。九州・沖縄エリアのエンジニアや学生が一堂に会し、最新の知見を学び合う場です。そのイベント運営の裏側では、学生がプロの技術者と肩を並べてライブ配信を担う取り組みが続いています。
今回の QUNOG 34 でも、10名の学生が配信チームとして参加しました。はじめての機材、本番ならではの緊張感、仲間との連携——教室では味わえない「現場のリアル」に、一歩を踏み出した学生の皆さんは何を感じ、何を得たのでしょう。
本レポートでは、配信現場に立った配信チームから3名の学生と、彼・彼女らを見守った教育者の視点を通じて、ライブ配信という“現場”を学びのフィールドに変える価値をお届けします。
QUNOG(きゅうのぐ)とは?
インターネットにおける技術的事項、運用に関する事項を議論、検討、紹介することを通して九州・沖縄地域の技術者および利用者に貢献することを目的としたグループです。九州沖縄ネットワークオペレーターズグループの略。
志田 竜汰 さん:学生リーダーとして感じた現場の全体像
Q1: 普段大学で学んでいることや、研究テーマはどんな分野ですか?
大学・大学院では情報科学を専攻し、情報技術全般について学んでいます。研究室ではネットワーク分野を専門としており、DNSを用いたCDNのリクエストナビゲーションについて研究しています。特に、EDNS Client SubnetやDNS over HTTPSといった技術について検討・検証をしています。
Q2:今回のQUNOG 34配信チームへの参加動機を教えてください。
私はこれまでQUNOGに何度か参加しており、QUNOG 28では一般参加しました。その後、QUNOG 29から配信チームとして関わるようになり、今回も配信チームの一員として参加しました。
ネットワークコミュニティのイベントを支える配信の仕組みや運用に興味があり、イベントを裏側から支える形で関わってみたいと思ったことが参加のきっかけです。
Q3: 当日の担当業務、担当業務でのこだわりについてお聞かせください。
今回は配信チームの学生リーダーとして参加させていただきました。今回の配信チームは学生メンバーが中心となって運営する体制で、配信オペレーションは各メンバーに担当してもらい、自分は全体の状況確認やサポートを中心に対応しました。
Q4:今回の取組みの中で、新しく得た知識やスキルを教えてください。
今回のQUNOGでは、Jストリーム様から配信用のプラットフォームを提供していただき、これまでとは異なる形で配信を行いました。
実際にイベント配信で利用される仕組みを現場で見ることができ、配信基盤について理解を深めることができたと感じています。

Q5:配信現場で「仕事の進め方や雰囲気」を感じた場面はありましたか?
配信は一人で行うものではなく、オペレーションや進行との連携など、チーム全体で協力して進めていくことが重要であると感じました。
また、事前準備や確認をしっかり行うことで、当日のトラブルを減らすことができるという点も印象に残りました。今回は会場が自分の大学ということもあり、設備やネットワーク環境を把握した状態で準備できたことも、スムーズな運営につながったと感じています。
Q6:Jストリーム、Jストリーム社員の印象を一言で言うと?
率直に配信のプロフェッショナルだなと感じました。
定例ミーティングでは進行役として配信チーム全体をまとめていただき、準備の進め方や確認事項などを丁寧に整理していただきました。
今回は学生中心で配信チームを運営していましたが、サポートが必要になった際にはJストリームの方々に相談できる環境があり、とても心強く感じました。そのおかげで安心して配信の運用を進めることができました。
Q7:QUNOGの配信チームに参加してみて、今どのような思いがありますか?
イベントを配信する立場として関わることで、これまで参加者として見ていたイベントとは違った視点でQUNOGを見ることができました。
Q8:今回の経験を、今後の学びやキャリアにどう活かしたいと考えていますか?
今回の経験を通して、技術だけでなく、チームでイベントやサービスを支えることの重要性を改めて感じました。
今後もネットワークやインターネット基盤の分野について学びながら、技術面だけでなくチームで運用を支える視点も大切にしていきたいと考えています。
Q9:QUNOGへの参加や配信チームの活動は、どんな人におすすめしたいと思いますか?
ネットワークやインターネット技術に興味がある人はもちろん、イベント運営や配信に興味がある人にもおすすめだと思います。
実際のイベントを支える現場を体験できるため、普段の学習では得られない貴重な経験ができると感じました。
Q10:これから挑戦したいことや意気込みがあればぜひ教えてください。
今回の経験をきっかけに、イベント配信やネットワーク運用についてさらに理解を深めていきたいと考えています。
また、今後もコミュニティ活動に積極的に参加しながら、技術だけでなくチームで取り組む経験も積み重ねていきたいと思います。
下坂 勇翔 さん:初参加で感じた技術イベントの空気
Q1: 普段大学で学んでいることや、研究テーマはどんな分野ですか?
主に情報セキュリティ分野について学んでいます。研究室では経路広告の正当性を検証する仕組みであるRPKIの普及に向け、その運用負荷を低減するためにソフトウェアの更新時の機能検証の自動化に取り組んでいます。他には、ソフトウェアの根本的な仕組みにも興味があり、趣味でバイナリ解析なども行っています。
Q2:今回のQUNOG 34配信チームへの参加動機を教えてください。
こういった技術系のイベントに足を運ぶこと自体が初めてだったため、まずは現場のリアルな雰囲気を肌で経験してみたいと考え、配信チームに参加させていただきました。
Q3: 当日の担当業務、担当業務でのこだわりについてお聞かせください。
今回はタイムキーパーで参加させていただきました。直前に学部で卒論発表会があり、その時の経験を活かせそうだと感じたからです。
Q4:今回の取組みの中で、新しく得た知識やスキルを教えてください。
- 配信周りの機材について知ることが出来ました。配信などの知識が全くない状態で参加しましたが、複数のカメラ映像やPC画面、音声などの入力信号からATEMで情報を処理して一つの配信映像として出力する過程が新鮮に感じました。

Q5:配信現場で「仕事の進め方や雰囲気」を感じた場面はありましたか?
スムーズなチーム連携を体感できました。最初に学生リーダーの志田さんから配信基盤全体の説明をしていただき、その後に各々の事前準備に入ったことで、単なる作業ではなくシステム全体の仕組みと自分の役割の繋がりを理解しながら進めることができ、大きな学びとなりました。
Q6:Jストリーム、Jストリーム社員の印象を一言で言うと?
心強い存在。
初参加で不安でしたが、最初に自己紹介の場を設けてくださるなど、終始親切にサポートしていただいたからです。
Q7:QUNOGの配信チームに参加してみて、今どのような思いがありますか?
初めての技術系イベントで現場のリアルな雰囲気を体験でき、非常に有意義な時間となりました。今回の経験を活かし、今後もぜひQUNOGの活動や配信チームに参加していきたいと考えています。
Q8:今回の経験を、今後の学びやキャリアにどう活かしたいと考えていますか?
今後は大学院へ進学し、自身の研究を発表する機会も増えるため、今回のような技術イベントへ積極的に足を運ぶことで現場の空気感に慣れ、将来のプレゼンテーションに活かしていきたいと考えています。
Q9:QUNOGへの参加や配信チームの活動は、どんな人におすすめしたいと思いますか?
技術系のイベントに興味はあるものの、参加をためらっている学生に強くおすすめしたいです。私自身、配信の知識が全くない状態でしたが、スタッフの方々の手厚いフォローのおかげで安心して現場の雰囲気を学ぶことができたからです。
Q10:これから挑戦したいことや意気込みがあればぜひ教えてください。
今後もQUNOGのイベントや配信チームに継続して参加し、運営のサポートを通じてコミュニティに貢献していきたいです。また、そこで得た繋がりや現場での経験を、大学院での研究活動や発表にも積極的に活かしてステップアップしていきたいと考えています。
白水 柚名 さん:初めて触れた配信技術と細部への気づき
Q1: 普段大学で学んでいることや、研究テーマはどんな分野ですか?
普段は主に情報系を勉強しています。特にインターネット系やプログラミングです。
研究テーマはまだ決まっていないのですが何か自分でシステムを作れたらなと思っています。
Q2:今回のQUNOG 34配信チームへの参加動機を教えてください。
QUNOGで裏側参加は初めてだったのでインターネットを勉強し始めた私にはNOCは難しいと感じ、配信チームに参加しようと思いました。
Q3: 当日の担当業務、担当業務でのこだわりについてお聞かせください。
当日は配信の登壇者用カメラを担当しました。
Q4:今回の取組みの中で、新しく得た知識やスキルを教えてください。
今回の取り組みで配信の大まかな機材の構成を学びました。特になじみがなかったのがATEMです。カメラや画面の切り替えをATEMで行っているようで見ていて面白かったです。

Q5:配信現場で「仕事の進め方や雰囲気」を感じた場面はありましたか?
段取りとしては詳しい方にしていただいたので後ろで見ていたのですが、雰囲気は楽しく進めていた印象でした。しかし、確認するとこはきちんと確認をとりあっていて非常に連携が取れていると感じました。
Q6:Jストリーム、Jストリーム社員の印象を一言で言うと?
親しみやすい!
何をしているのか、どうすればいいのか逐一フォローしていただきました。
Q7:QUNOGの配信チームに参加してみて、今どのような思いがありますか?
思っていたよりも気遣うことがあると思いました。配信枠の大きさやカメラの位置、音声など細部まで配慮する必要があり、一つ一つの要素が配信の質を上げていると感じました。
Q8:今回の経験を、今後の学びやキャリアにどう活かしたいと考えていますか?
現在就職活動を行っていて幅広くIT企業を見ていたのですが、配信系の企業は注目して見ていなかったので見ていきたいと思いました。また、次のQUNOGでも配信チームとして今回で学びきれなかったことを学びたいと思いました。
Q9:QUNOGへの参加や配信チームの活動は、どんな人におすすめしたいと思いますか?
インターネットを全くわからなくても興味がある方や企業の方とつながりを持ちたい方にお勧めしたいです!
Q10:これから挑戦したいことや意気込みがあればぜひ教えてください。
これからもっともっとインターネットのことやプログラミングなど復習しつつ新しい知識を吸収していきたいです。
教育者の視点:福岡女子大学 講師・神屋 郁子 先生が語る「現場の価値」
最後に、QUNOG 34の配信チームを見守り続けたお一人、教育者である福岡女子大学・神屋 郁子 先生から学生の皆さんへのメッセージをご紹介します。現場での経験が学生にもたらす価値、そして教育の観点から見た学びの可能性について語っていただきました。
福岡女子大学 講師
神屋 郁子 先生
QUNOG 34 配信チームでの学生参加と学び
■QUNOG 34配信チームでの学生のチャレンジ
QUNOGでは学生支援を実施しています。支援を受ける学生はQUNOGに参加し、発表を聴講したり参加者との交流をしたりしてもらっています。また、学生の希望や経験に応じて、QUNOGの運営にも関わってもらい、現地での運営補助やネットワーク構築や配信などの技術的な作業にも取り組んでもらっています。ネットワーク構築については会場都合でできないケースもありますが、配信については、QUNOG 29よりJストリーム様の機材およびプラットフォームを利用して実施しています。

■教育者として感じた”現場が育む力”
運営の立場から見ると、学生を集めて何かに取り組んでもらうこと自体は可能ですが、運営側の大人のマンパワーには限りがあるため、十分なフォローを行うにはどうしても限界があります。参加人数が多い場合には配信に加えてネットワーク構築などのチームの対応もあり、学生へのフォローを行う余裕を確保するのが難しい状況でした。
そのような中で、Jストリーム様に配信面でご協力いただけていることは非常にありがたく感じています。学生にとっても、実際の配信環境や機材に触れ、最新の技術に触れる機会を得られる点は大きな意義があると感じました。配信は学生にもイメージしやすいアプリケーションであり、技術的な学びの入り口としても良い題材になっていると考えています。
今回は九州産業大学、長崎県立大学、福岡女子大学の3大学の学生に参加してもらいましたが、共同作業を通じて大学内だけでなく他大学の学生とも交流できている点は非常に良いことだと感じました。QUNOGには九州・沖縄エリアのさまざまな大学・専門学校の学生が参加しているため、今後も多くの学生に参加してもらい、大学の枠を超えたつながりを作ってもらえればと考えています。
■未来へ進む:はじめの一歩を踏み出してみよう
学生の皆さんへは、ぜひ積極的にいろいろなことにチャレンジしてもらえたらと思います。配信は視聴する側として触れたことはあると思いますが、配信する側になる機会はなかなかないかと思います。QUNOGには、Jストリーム様をはじめ、ネットワークエンジニアや教育関係など多くの大人の方々が参加されており、学生にもとても親切に接してくださいます。そのため、初めて参加する学生でも安心してチャレンジできる雰囲気があります。また、経験のある学生が自然と引っ張ってくれるような空気もあります。最初の一歩は躊躇してしまうかもしれませんが、ぜひその一歩を踏み出してみてほしいです。
最後に、今後に向けたアイデアを。他の地域 NOG でも、学生が NOC 活動などに積極的に参加している地域があると聞いて います。そうした取り組みについてもぜひ話を聞いてみたいと思っています。各地域 での取り組みなどを、配信などを通じて共有できる機会があれば面白いのではないか と感じています。
QUNOG 34 における学生の皆さんの挑戦と教育者のまなざしは、未来へ向かう大きな力と可能性にあふれていました。今後も、こうした機会が多くの学生の皆さんに広がっていきますように。

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QUNOG 34イベントサイトURL :
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