【レポ―ト】動画配信技術とCDNの仕組み勉強会 – ファミリーネットジャパン様にお邪魔して

【レポ―ト】動画配信技術とCDNの仕組み勉強会 – ファミリーネットジャパン様にお邪魔して

この記事を書いた人

高見澤 信弘

エンジニアリング推進室 アーキテクト

Jストリームに新卒で入社後、ネットワークエンジニアとしてCDN基盤や大規模配信ネットワークの設計を中心に、見逃し配信システムや国際スポーツイベントの配信設計を担当。現在はCDNプロダクト企画や全社ネットワーク設計を担う。IPoE協議会 IPv6地理情報共有推進委員会 幹事、海賊版対策実務者意見交換会 海賊版対策技術検証チーム(WG)メンバーほか、インターネットトラヒック流通効率化検討協議会、JANOG、JAIPA登壇など幅広く活動

はじめに

 

Jストリームは、動画配信とCDNがビジネスの中心とする会社です。そのため、「インターネット上で動画はどうやって見えているの?」という動画配信の仕組みに関する質問を受ける機会があります。

 

しかし、動画が再生されるまでの裏側には、複数の技術や工程が関わっており、それらを正確さを保ったままわかりやすく説明することは意外と難しいものです。

 

映画やコンサートなどの動画がインターネットを通して皆さんの手元のスマートフォンやパソコンで再生されるまでには、表からは見えないいろいろな処理が行われています。

 

今回は、ファミリーネットジャパン様にお邪魔して、動画配信とCDNの基本的な仕組みや動作について勉強会を行いましたので、ご紹介します。

 

ファミリーネットジャパン様はマンション向けの「インターネットサービス」と「エネルギーサービス」を提供されている企業です。Jストリームとは、ともにIPoE協議会JAIPAのメンバーとして活動をしています。特にマンションISPとしての立場から当社のコンテンツ配信について理解をいただいており、今後のコンテンツ配信についても一緒に議論をしています。

 

動画配信の流れ

動画配信とは何か

 

動画配信と一言で言っても「オンデマンド配信」と「ライブ配信」の2つがあります。オンデマンド配信とは映画やコンサートなど録画されたコンテンツをいつでも見られるようにするための仕組みです。

 

一方で、ライブ配信とは、今行われているイベントや会議をリアルタイムにインターネットを通して視聴ができる仕組みです。参加された皆さんも多くの場合は動画配信サービスののオンデマンド配信で動画を視聴しているのではないかと思います。

 

また、異なるOSのパソコンやスマートフォンで同じ動画が視聴できるのか?そのために重要となる配信プロトコルについても触れました。

 

昨今の動画配信についてはHLSというプロトコルが多く利用されていますが、1つの動画ファイルを細切れにし、制御ファイル(マニュフェストファイル)の指示に従って再生する仕組みになっています。

 

 

CDNの仕組み

 

CDNについてはキャッシュの基本的な動作やユーザーナビゲーションについての基礎技術について説明しました。キャッシュという言葉はCDNを説明する際によくきかれる言葉だと思います。

 

キャッシュとは、「処理したデータを一時的に保存し、次回以降のアクセスを高速化する仕組み」です。この仕組みをCDNが使っているために配信の大規模配信が実現できていることを説明しました。

 

また、多数設置されたキャッシュサーバーのうち、どのサーバーをエンドユーザーに使ってもらうか。この仕組みを支えるのがDNS(Domain Name System)です。人が理解できるドメイン名をコンピューターが理解できるIPアドレスへ変換する仕組みであるDNSでが、このIPアドレスに変換する際に最適なサーバーのIPアドレスをエンドユーザーに伝えることで、最適なサーバー選択が行われます。

 

CDNでは、コンテンツデータを一時的にキャッシュすることにより配信効率を高める

参加者からの反応

 

参加者からは、動画視聴サービスにおいてエンドユーザーが海外判定されることで視聴ができない場合の対処について質問がありました。

 

IPアドレスを使った地域判定については、IPoE協議会のIPv6地理情報共有推進委員会でも議論している内容に関係し、IPv4についてはアドレス共有による判定精度の低下が問題となっていますので、コンテンツ配信事業者とコミュニケーションにより解決を図るしかないのではないか、と回答をしました。

 

この問題の根本的な解決についてはアドレス共有が行われないIPv6への移行が効果的であると思いますが、難しい問題です。

 

また、プロバイダーということで、2月から始まるミラノ・コルティナオリンピックでの動画配信や3月から始まるWBCの配信についても質問があり、プロバイダー事業に直結する時事ネタを通して、CDNを理解いただき活発な質疑が行われました。

 

 

EQ(Equipmedia)を使ったライブ配信のデモ

 

今回のお題である動画配信について、より実感を持って感じてもらうために、実際のライブ配信のデモを行いました。勉強会場にカメラを置き、スイッチャーを通して編集した映像をパソコンでエンコードし、当社の動画プラットフォーム(Equipmedia)に送信するというデモです。

 

ライブ配信を会場に来ていただいた方々に見ていただくために、EQから出力したQRコードを会場に投影し、スマートフォンで読み取っていただくことでEQのプレイヤーを通してライブを視聴していただきました。

 

今回は通常のライブ配信設定でしたので、20秒から30秒程度の遅延となりましたが、実際にカメラに映った映像が自分のスマートフォンに表示されることで、より実感を持っていただけたと思います。

 

デモの後に、スイチャーやエンコーダーを動かしているパソコンの画面を見たり、操作していただきました。会場からは、スイッチャーの操作方法や役割、最低限ライブを行うために必要となる機材についても質問がありました。デモを見ていただいたことで実際に自分でもライブができる!と感じた参加者が出ていただけたことは非常に嬉しい成果となりました。

 

デモの構成

 

【ご参考】

株式会社ファミリーネット・ジャパン
https://www.fnj.co.jp/

EQサービス紹介ページ
https://www.stream.co.jp/service/platform/equipmedia/