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Jストリーム・技術の歴史

進化に挑戦し、変化し続けるJストリーム・技術の歴史をご紹介

Jストリーム・技術の歴史

動画技術の進化と

Jストリームの挑戦・変革

世界に商用ストリーミングが誕生してから約30年、動画配信技術は絶え間ない進化を続けています。Jストリームは、1997年創業以来、動画配信を軸に「課題解決のためのエンジニアリング」という考え方のもと、利用者・視聴者の視点で各技術の可能性を吟味し、取入れてきました。技術の進化とともに歩み、動画の未来を切り拓くJストリームの挑戦と変革の歴史を技術視点でまとめました。

STAGE1:黎明期・最新の動画配信技術を日本へ (1997~2000年)

1997年、Jストリームは、世界で初めてのインターネットを使った本格的な動画配信専門会社として誕生しました。動画配信が、世界的にも最新技術だったこの頃、動画配信の帯域は20~30kbps程度でした。Webページをクリックすると切手サイズの動画が別プレイヤーで立ち上がりノイズ交じりに再生されました。その動画は、新たな可能性に満ち溢れていました。

 

とはいうものの、多くの企業にとって、動画活用のハードルはまだとても高いものでした。当時、企業のシステムは、オンプレミス型が主流でしたが、動画配信・視聴には、各ベンダー専用のサーバ・プレイヤーソフトが必要でした。配信サーバにインストールするソフトウェアも高価で、ネットワークも自前で用意すると動画配信には2,000~3,000万円ほどのコストを要しました。

 

上記のような状況に対し、Jストリームは、国内のデータセンターに動画配信環境を自社構築し、ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)サービスとして企業向けに月額30万円でサービス提供を開始しました。当時の主要フォーマットを随時カバーし、配信可能な環境を構築していました。

 

また、動画と資料スライドを連携配信する配信・制作一体型のプレゼンテーションサービス(ePresenter/イープレゼンター)を日本で初めてサービス提供するという、インフラ事業者らしからぬことも手がけました。

【TOPICS】

1997

-創業、RealMediaフォーマットを用いたライブ配信サービス提供開始。

※当時、配信プロトコルのメインは、RTP/UDPによるサーバープッシュ型。

‐ISP間をまたぐCDN構築

1998

-オンデマンド配信サービス提供開始

1999

-日本初のスライド連携サービス「ePresenter」の提供開始

2000

-動画の普及に伴い、取扱いフォーマットをWindowsMedia、QuickTimeに拡大。

STAGE2:モバイル向け配信、Flashへの対応 (2001~2011年

ブロードバンド化やモバイル3G回線の進化、2007年のiPhone、Android端末の発表などを背景に、企業ではモバイルに向けたコンテンツ・動画配信への期待が高まりました。しかし、動画配信を複数端末で展開するには、機種依存や互換性の問題から高い運用負荷が障壁となりました。そのため、Jストリームでは、携帯やスマートフォン向けの配信を簡単にするASPサービスを提供し、企業のモバイル向け配信も広くサポートしていきました。

 

時代背景としては、CRM(Customer Relationship management)の台頭に象徴されるように、顧客との関係性強化やエンゲージメントに注目が集まった時期でした。そして、キラーコンテンツとしての動画の可能性に大きな関心が寄せられました頃でもありました。同時期の2002年には米Macromedia社(現・米Adobe社)が開発したFlash Videoが登場、Webページでの埋め込み動画が普及し、Webサイトの表現は、動画ベースへと大きくシフトしていきます。

 

一方で、配信負荷が想定されていないリッチなWebサイトでは、表示遅延による閲覧不能やユーザー離脱などの機会損失が問題視されるようになります。それまでは、Webクリエイティブがインフラ負荷に与える影響は、さほど大きなものではありませんでしたが、常識が変わったのです。Jストリームは、クリエイティブのわかるインフラパートナーとして、制作と配信を一体としたサービス提供体制を強化し、動画を中心とした企業サイトのリッチ化を推進していきました。

 

大規模アクセス、トラフィック増加を視野に入れた、広域負荷分散システムの開始、P2Pなどの新しい配信にも着手。また、2009年に米Apple社が開発したHLS や、2012年4月にISO国際標準規格 (ISO/IEC 23001-6) としてリリースされたストリーミング規格MPEG-DASHなどのHTTPベースの動画配信も開始しました。

【TOPICS】

2001

-携帯電話向け音声ストリーミングサービス開始。PC+モバイル配信の幕開け

-広域負荷分散システムの稼働開始

2003

-Flash Video配信対応開始

2005

-NTTドコモ「iチャネル(R)」向け配信ASPサービス提供開始

2006

-P2P方式オンデマンド配信サービス開始

2008

-「P2Pネットワーク実験協議会」の実証実験参画

-OVPマーケット開拓に向け始動開始

-IPTV向け動画配信(MPEG-DASH)対応開始

-配信ビットレートを変更できるアダプティブビットレートストリーミング(ABR)への技術対応

STAGE3:ポストFlash、アプリケーション強化 (2012~2016年

2010年代に入り、スマートフォンやタブレットなど普及が本格化していきました。この頃、個人のスマートフォンの保有率は、2011年の14.6%から2016年には56.8%と5年間で4倍に上昇し、世帯保有率ではパソコン(73.0%)とほぼ同水準(71.8%)にまで達しました(※1)。モバイル機器による動画サイトの視聴時間は、2012年の2.5分から5年後の2017年には10.4分と4倍に増加していきます(※2)。

 

技術的には、ポストFlashに向けた目まぐるしい変化が起こり、MPEG-DASHや HLSといった特定のプラグインに依存しない新しい動画配信のプロトコルへの注目が高まります。非プラグイン依存の新しいプロトコルは、セキュリティ、互換性、開発効率、動作パフォーマンスなどの向上という特長を持っていました。メリットの一方で、新しい技術スタックやプロトコルの採用には、既存のシステムやインフラの更新や変更が必要になります。

 

加えて、HLS やMPEG-DASHは、通信環境にあわせてコンテンツの帯域幅を変える仕組み(アダプティブビットレートストリーミング/ABR)のため、ネットワークの負荷やトラフィック管理、最適化が求められます。それらを専門的・総合的に解決できる存在として、Jストリームは新しいプロトコルへの技術的探究を進めていきました。

 

企業では、効率性と柔軟性を求め、SaaSを利用した業務プロセスの最適化が進められた頃でもありました。Jストリームでは、企業の動画活用における制作・管理・運用への一層の負荷削減を目指し、2012年には、当時新ジャンルであるOVP(Online Video Platform)サービスとして「J-Stream Equipmedia(以下、EQ)」を提供開始します。EQは、柔軟な機能追加に加え、各専門のSaaSサービスとのAPI連携により、各利用シーンの最適化をより高いレベルで実現させながらプロダクトとしての成長を遂げていきます。

 

2015年には、次世代型CDNサービス「J-Stream CDNext」をリリース。年々増加するトラフィック量を背景に、CDN配信の利便性向上を図りました。契約企業は、インターネット上での管理画面から、動画配信やCDN配信に必要な機能がワンストップで利用できるようになり、大規模アクセス対策への導入ハードルを一層下げていきました。

【TOPICS】

STAGE4:コモディティ化時代への挑戦 (2017年~

高速インターネットやスマートデバイスの普及を背景に、メディア・放送事業者等によるOTT(Over The Top)化の動きが加速する現代。2021年の総務省の調査によれば、インターネット利用者にとって、インターネットが「娯楽メディアとしての重要度」において、テレビを抜いて首位となる数値が報告されました。(※3)。また、インプレス社のレポートでは、有料動画配信サービスの利用率は、2016年の14.2%から2023年には38.6%と2.7倍に増加しています(※4)。

 

インターネット上での高画質な映像や臨場感、既存の枠を超えたインターネットならではの新たな視聴体験は、顧客の獲得や定着に重要な役割を果たしています。Jストリームでは、5G以降を視野に入れた低遅延やマルチアングルなどの新たな視聴体験の追求を進めています。

 

加えて、エンタープライズ領域でも大きな変化がありました。2019年以降は、コロナ禍により自宅待機や外出自粛、テレワークをはじめとした新しい生活様式が広がり、企業内での動画活用シーンも急拡大しました。また、人的資本経営を目指す企業を中心に企業研修・教育が進み、動画は有効な手段としてポジションを確保しました。三蜜回避によるライブ配信や制作の内製化ニーズにあわせて、短期間でのEQの機能追加が続きました。

 

幅広い利用シーンでの、さまざまなニーズに迅速にこたえるため、Jストリームでは、開発体制の改革を進め、2018年に社内共通開発基盤「J-Stream Cloud(ジェイストリーム・クラウド)」が誕生します。この開発基盤では、各機能をモジュール化し、ステートレスに設計することで、機能の依存性を最小限に抑え開発スピードを向上。それと同時に、共通する部分は汎用的に設計し、機能の再利用を容易にすることで開発の柔軟性を高めていきました。

 

コロナ5類移行後も、OTTサービスへの需要は引き続き高い水準で維持され、企業活動でも情報発信・共有における動画活用、ハイブリッド化は継続しています。国内における固定系ブロードバンドサービス契約者のダウンロードトラフィック(2023年11月時点)は、前年同月比18.1%増(34.5Tbps)、移動通信のダウンロードトラフィックにおいても前年同月比19.6%増(7.0Tbps)と加速的に増加しています(※5)。Jストリームでは、ネットワークに関しても、業界関係者と連携し、新しい技術を用いた各種実証実験にも積極的に取組んでいます。

 

動画のコモディティ化を背景に、私たちは従来の動画の「当たり前」を突破する未来への探求を続け、挑戦と変革を続けていきます。

【TOPICS】

2017

-コンテンツ付加情報提供システムに関する国内特許取得(3月登録)

-開発環境の改革始動:サービスとシステムを分離させ、開発基盤でのインフラのコード化開始

2018

-開発環境改革の一環として、社内共通開発基盤「J-Stream Cloud」構築・始動

※モダン開発ベースでのマイクロサービス構成および、Infrastructure as Codeをベースとし、開発におけるアジリティ面の大幅な改善をはかる 

注:

 

※1:総務省 通信利用動向調査


※2:総務省|令和元年版 情報通信白書|インターネットの登場・普及とコミュニケーションの変化   https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd111120.html


※3:総務省、令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 https://www.soumu.go.jp/main_content/000831289.pdf


※4:【2023年度版】動画配信サービスの市場レポート(市場規模、トレンド) | インプレス総合研究所 https://research.impress.co.jp/internetvideo-report


※5:総務省、2024年2月、「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計結果(2023年11月分)」

https://www.soumu.go.jp/main_content/000929698.pdf